0. 概要
動画上部分がアップスケール後、下部分が元動画です。顔の部分や障子の破れた部分猫の顔等のモヤモヤが解消されているのがわかります。
1. なぜ動画生成の後に「アップスケール」が必須なのか(利点)
- 生成AIの限界を突破: 多くのAI(RunwayやLumaなど)は生成時の解像度に制限があること。720pが多いですね。
- SNS映えと没入感: 720pと1080pでは、スマホの全画面で見た時のディテールの密度が全く違うこと。
- ノイズ除去の効果: 単なる拡大ではなく、生成時に発生する「モヤモヤ(アーティファクト)」をAIが描き直してくれるメリット。
2. Macユーザーに贈る!アップスケール手法の3選比較
① DomoAI等:クラウドで手軽に「動画を動画のまま」強化
- 特徴: ブラウザ上で完結。PCスペックを問わない。
- メリット: 「Video to Video」の延長で、画質向上だけでなくスタイルの微調整も同時に行える。
- ターゲット: 手間をかけずにサクッと高画質化したい層。
- デメリット:クレジット(有料)を消費する
② Pixelmator Pro:静止画の王者による「ML Super Resolution」
- 特徴: Mac専用アプリの強力な機械学習(ML)を活用。
- メリット: 1枚ずつの処理が非常に美しく、写真編集ソフトならではの色彩補正も同時にできる。
- 活用術: 「動画からベストショットを切り出してサムネイルにする時」や、短い動画を連番画像にしてバッチ処理する。
- ターゲット: Pixelmator Pro保有者なら追加料金なし。
- デメリット: 大きな高画質化になるとは限らない。
③ Real-ESRGAN:エンジニア志向の「最強・無料」ツール
- 特徴: オープンソースの最強AIモデル。
- メリット: 完全に無料。Apple Silicon(M1〜M4)のパワーをフルに活かせる。
- 活用術: 先ほどのシェルスクリプトやAppleScriptを使った自動化。
- ターゲット: 徹底的に画質を追い込みたい、または大量の動画を自動処理したい層。
Pixelmator Proの「Increase Resolution(解像度を上げる)」機能、特に「ML Super Resolution」は、Macユーザーにとって最も身近で強力なAIアップスケール手段の一つです。
動画生成の文脈では、動画を連番画像(PNGなど)に書き出した後、それらを一括で高品質化する際に非常に役立ちます。
1. ML Super Resolutionとは?
単にピクセルを引き伸ばして補間する従来の方式とは異なり、機械学習(Machine Learning)を用いて、画像内のディテールを「推測・復元」する技術です。
- Apple Silicon最適化: MacのNeural Engineをフル活用するため、驚くほど高速に処理されます。
- ノイズ除去の同時実行: アップスケールと同時に、生成動画にありがちな圧縮ノイズやモヤモヤ(アーティファクト)を自然に除去してくれます。
2. 実際の使い方(基本操作)画像一枚ずつ この記事のメインではない
- 画像を開く: 処理したい画像をPixelmator Proで開きます。
- メニュー選択:
Imageメニュー >ML Super Resolutionを選択。 - 自動計算: AIが解析を開始し、数秒で解像度が縦横2倍(面積4倍)に引き上げられ、細部がクッキリします。
3. 動画作成に役立つ「一括処理(バッチ処理)」この記事で伝えたい事
10秒の動画(約300枚の画像)を1枚ずつやるのは現実的ではありません。Pixelmator Proの真価は「ショートカット(Shortcuts)」アプリや「Automator」との連携にあります。
Macの「ショートカット」アプリを使った準備手順1 クイックアクション編
- ショートカット作成: 「クイックアクション」として新規作成。
- アクション追加: 「Pixelmator Pro」の項目から 「Super Resolutionを適用(Apply Super Resolution)」を選択。
- 保存アクション: その後に「ファイルを保存」を追加。
- 一括実行: Finderで連番画像フォルダ内の全画像を選択 > 右クリック > 「クイックアクション」から作成したショートカットを実行。
これで、数百枚の画像が自動で次々とAIアップスケールされていきます。
アプリケーションフォルダ内の『ショートカット』アプリを起動

ファイルメニューから新規ショートカットを選択
ショートカット名を『4K高画質化』にしておく
右の検索エリアから『入力から画像』と入力して、右にドラッグするかダブルクリック
クイックアクションからにして、画像、ファイルをにチェックマークを入れる。
同じく、検索エリアに『Pixelmator』または『Resize』と入力しResizeを右にドラッグするかダブルクリック。ショートカットの入力にして、サイズを下記の様にする
横型4Kの場合 3840 x Auto Height
縦型4Kの場合 Auto Width x 3840
Using はSuper Resolutionにする。
Super Resolutionにするのがポイントです

同じく検索エリアに『保存』と入力してファイルを保存を右にドラッグするかダブルクリック。
Resized Imageを保存にして、表示を増やすをクリックして保存先を尋ねるにチェックを入れる。
保存メニューはないので、そのまま閉じてOKです
どのファイルでもいいので選択してからマウスの右クリックでクイックアクションを選択
メニューが展開されたら、カスタマイズを選択

先ほど作った『4K高画質化』を有効化して完了ボタンを押す。

下の様に『4K高画質化』が表示されていたらOKです。

Macの「ショートカット」アプリを使った準備手順2 ffmpeg編
brew install ffmpegHomebrewがインストールできれば、ffmpegのインストールは上記のコマンドを
コマンドラインから入力するだけです。
実際にアップスケールしてみる
それでは準備が整いましたので実際に動画をアップスケールしてみましょう。
upscaleSample.mp4 は
720×1280, 2741 kb/s, 24 fpsの動画になっています。
今回は『blog用』というフォルダーをデスクトップに準備しましょう。
さらに『tmp_frames』というフォルダーをその中に作成しておきましょう。
さらに『tmp_outframes』というフォルダーをその中に作成しておきましょう。
upscaleSample.mp4は『blog用』フォルダ直下に置いておきます。
cd /Users/ユーザーごとに書き替えてください/Desktop/blog用/上記コマンドで作業位置を移動しておきます。
ffmpeg -i upscaleSample.mp4 -qscale:v 1 -qmin 1 -qmax 1 -vsync 0 tmp_frames/frame%08d.pngこのコマンドは、動画ファイルを「最高画質を維持したまま、1フレームずつの静止画(連番画像)に分解する」ための命令です。
特に、AI画像生成の素材作りや、1コマずつの緻密な編集を行いたい時に使われる非常に高品質な設定になっています。
実行すると、121枚の全てのフレーム画像がtmp_framesフォルダーに出力されています。
エラーが出ている場合はエラーをご自身で読み解いてみるか、AIにエラーをコピペして解説してもらってください。
各オプションの意味を詳しく解説
コマンドを分解すると、それぞれの役割は以下の通りです。
| オプション | 意味 | 詳細・効果 |
ffmpeg | プログラム名 | FFmpegという動画処理ソフトを起動します。 |
-i upscaleSample.mp4 | 入力ファイル | upscaleSample.mp4 という動画ファイルを読み込みます。 |
-qscale:v 1 | 画質指定 | ビデオのクオリティを最高(1)に設定します(数値が小さいほど高画質)。 |
-qmin 1 -qmax 1 | 画質の固定 | 画質の変動を許さず、最初から最後まで「最高画質」で固定します。 |
-vsync 0 | 同期設定 | 元の動画のフレームレート(FPS)をそのまま維持して出力します。 |
tmp_frames/frame%08d.png | 出力先と形式 | tmp_framesフォルダに、frame00000001.png という名前で保存します。 |

『tmp_outframes』フォルダの全ファイルを選択して、右クリックしてクイックアクションから
『4K高画質化』を選択してみましょう。
私のM1Macbookで5分くらいかかるので気長に待ちましょう。
お使いのMacのチップ(M2, M3, M4等)によって時間は前後しますが、Neural Engineをフル活用するため高速です。
処理が終わったら、保存先を聞いてくるウィンドウが表示されるので
tmp_outframesをフォルダを指定して保存しましょう。
処理中は以下の様な画像がメニューバーに表示されています。
元の画像は1.1MBの容量です

画像アップスケール後は9.7MBで2160×3840のサイズになっています。

以下のコマンドをコマンドラインで実行します。
ffmpeg -framerate 24 -i tmp_outframes/frame%08d.png -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p -crf 18 outUpscale.mp4outUpscale.mp4がblogフォルダに作られているはずです。
120枚のはずが121枚になるのはなぜ?」
「0秒時点(最初の1コマ)」を含むため、5秒の動画は121枚になるのが正常です。
比較してみよう
Upscale前後でひかくすると、自然にアップスケールされています。
わかりにくいですが、障子の破れた部分の鮮明さ、お婆さんの着物の柄の鮮明さに違いを見つけることができます。
最初が変換前 720 × 1280
こちらがUpscale後 2160 × 3840
まとめ
作業自体は簡単
処理にかかる時間も短めですが、自然な感じに高画質化できています。
5秒程度の動画なら5分程度で作業完了します。
劇的な変化はありませんが、この程度のアップスケールなら自然にみえますね。
しかし無料でこの程度のUpscaleであれば数分待てばできるので繰り返し使うのであれば
ローカルでアップスケール処理するのもありだと思います。
番外編720p→4K→1080p 最終的に1080pにするには
ffmpeg -framerate 24 -i tmp_outframes/frame%08d.png -vf scale=1080:1920 -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p -crf 18 outUpscale_1080p.mp4上記のコマンドを実行すると1080pの動画が生成できます。
最初から1080pにするのではなく、一度4K(ML Super Resolution)を経由することで、AIがディテールを補完した高品質な1080pが作れる


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